2022年8月26日にスズキから新しく軽商用車が発表されました!その名も、
スペーシア ベース!
スズキを代表する軽ワゴン車のスペーシアをベースに後席を簡素化して軽商用車登録となったモデルです。
ちなみに車種名にもなっているベース(BASE)は「基地」を意味しているそうです!
キャンプや車中泊をするユーザーに向けて作られた車のようですが、本当にそれらの用途に使うのに最適な車なのでしょうか?
今回はスズキ スペーシア ベースがどんな車なのかを、いくつかのポイントに絞って見ていこうと思います。
- 本当に車中泊に向いているのか?
- 愛犬とのドライブ旅に向いているのか?
- ライバル車とはどんな違いがあるのか?
車中泊やキャンプを楽しみたい方、愛犬家の方にとっても一緒に快適なドライブ旅を楽しむことができるのか、気になっている方も多いと思います。
いろいろな比較をしながら見ていきたいと思うので、ぜひ参考にしてみてください!
こんにちは、アルト(@hobbyALTO)です!
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それではさっそく見ていきましょう!
ベースは軽ワゴン車のスズキ スペーシア
スペーシア ベースは名前からもわかるように、スズキの軽ワゴン車「スペーシア」をベースとしていますね。
基本的な性能はスペーシアと同じで、外観はスペーシアカスタムを基本として作られています。
では、他の軽商用車と比較すると性能的にはどうなのでしょうか?
比較しながら見ていきましょう!
スペーシア ベースの燃費性能は?
愛犬といっしょに車中泊旅をするときには、長距離を移動することにもなるので燃費性能は気になるところですよね。
スペーシア ベースの燃費を他の軽商用車と比較するとこんな感じになっています。
車名 | WLTCモード燃費 |
---|---|
スペーシア ベース | 21.2km/L |
N-VAN | 19.2km/L |
エブリィ | 17.2km/L |
アトレー | 14.7km/L |
ハイゼット | 15.6km/L |
スペーシア | 21.2km/L |
並べてみると、軽商用車登録の中では抜群の燃費性能になっているのがわかりますね!
意外だったのが軽ワゴン車の普通のスペーシアとの比較です。
スペーシアはスズキのマイルドハイブリッドを搭載していますが、スペーシア ベースと同じ燃費性能となっています。
ハイブリッドシステムを排除したり、後席のシートを簡素化するなどによってボディ全体が軽量化されたことでマイルドハイブリッドを搭載しなくても通常のスペーシアと同程度の燃費性能を実現できているということになります。
この燃費性能の高さは維持費にも直結してくる部分なのでとても重要ですね!
スペーシア ベースの安全性能は?
通常のスペーシアから派生したモデルということもあり、スペーシア ベースは先進安全装備も充実しています。
このスペーシア ベースにもスズキの予防安全技術の SUZUKI Safety Support を搭載しているんですね!
SUZUKI Safety Support の機能は以下のようになっています。
- デュアルカメラブレーキサポート
- 後退時ブレーキサポート
- 先行車発進お知らせ機能
- 誤発進抑制機能
- 後方誤発進抑制機能
- 全方位モニター用カメラ
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- アダプティブクルーズコントロール
- ハイビームアシスト
2021年12月に発表された新型アトレーにアダプティブクルーズコントロールが搭載されたことが話題となりましたが、こちらのスペーシア ベースにも通常のスペーシアと同様に搭載されています。
N-VANも Honda Sensing によって搭載されていたので、軽商用車としても一般的な装備になりつつあります。
軽商用車を車中泊ベース車と考えると、高速道路を使った長距離の移動も考えられるので追加されると運転の疲労もかなり軽減されますね!
このように安全装備は充実してはいますが、他の車種と比較して新しいかといえば現在となってはそうも言えないかもしれません。
室内空間は多彩なアレンジが可能!
スペーシア ベースで気になっている方が多いのが室内空間のアレンジではないでしょうか?
軽商用車としての広さを活かして、スペーシア ベースでは様々な室内空間のアレンジが可能となっています!
室内をアレンジできるマルチボード
まずスペーシア ベースで一番に目を引くのが、自在に配置することで室内空間をアレンジすることができるマルチボードです。
このマルチボードは使い方次第でいろいろな室内空間をアレンジするだけでなく、デスクや棚、フラットなフロアとしても使うことができます。
マルチボードの最大耐荷重は12kgとなっているので、棚として設置してもけっこう重たいものを置いても大丈夫そうですね!
ボードの設置高さを変えて荷室を自在に使える
また、荷室サイドにはマルチボードを設置することができる段が作られていて、上段・中段・下段の3段階に設置する高さを変更して使うことができるようになっています。
上段に設置するとフロアからの高さが430mmで、デスクとして使うことができるようになります。
デスクとして使うときには2列目の背もたれを倒すことで、座椅子代わりに使ってパソコン作業なども快適に行うことができそうです。
車中泊のときにデスクを自作したりしていた方にとっては、純正品でデスクのように使うことができるボードが付属しているのは嬉しいポイントではないでしょうか?
中段にマルチボードを設置すると、荷室空間を上下に分割する棚として使うことができます。
愛犬といっしょにドライブ旅や車中泊を楽しむときには荷物も多くなりがちなので、棚で荷室を有効利用できるますね。
下段に設置すると、前席を倒すことでマルチボードとつながる空間ができて、車中泊のときの就寝スペースに早変わりします。
就寝モードになってもマルチボードの下に165mmの空間ができるので、荷物もこの空間にある程度は収納しておくことができそうですね!
縦置きして前後に荷室空間を分割することも可能
このマルチボードは縦に設置することも可能で、荷室空間を前後に分割することもできるようになっています。
愛犬といっしょにドライブ旅を楽しみたい方にとっては、ケージやクレートを設置する場所と荷物を積む場所を分けることができるのはうれしいですよね!
また、助手席に家族以外の人が乗るときには、マルチボードを荷室の目隠しとして使うこともできます。
愛犬とのドライブ旅には向いてそう!
マルチボードで室内空間をいろいろとアレンジできるので、愛犬とのドライブ旅にもタイミングに応じた使い方ができるので、ドライブ旅には向いていそうですね!
室内空間のアレンジ以外にも愛犬とのドライブ旅に向いていると思うポイントがあるので紹介していきます。
FFレイアウトで室内は静か
まずは軽商用車としては珍しく、ボンネットにエンジンを搭載したFFレイアウトを採用している点です。
軽商用車として有名なスズキのエブリイやダイハツのアトレーなどは運転席の下にエンジンを搭載したキャブオーバー型を採用しているので、運転中のエンジン音が車内に響いてくるのは避けることができません。
ですがスペーシア ベースでは、キャビンとエンジンルームが完全に分断されているので、静かにドライブ旅を楽しむことができますね。
また、愛犬にとっても運転中のエンジン音はけっこうストレスの原因になりやすいので、その心配が軽減されるのも嬉しいポイントと言えそうです!
軽乗用車感覚で運転できる
スペーシア ベースは軽ワゴン車のスペーシアの派生モデルとして作られた車なので、軽乗用車とまったく変わらない感覚で運転することができます。
先程も話したように軽商用車ではキャブオーバーの車が多かったのですが、キャブオーバーになると少し普通のボンネット型の車とは運転感覚が変わるので敬遠している方もいるかもしれません。
2列目が完全にフラットになる軽ワゴン車が欲しかった!
という方にとっては最善の選択になるのでは?と思っています。
愛犬とのドライブ旅でのメリット/デメリット
マルチボードを使うことで室内空間をいろいろな仕様にアレンジできるのですが、我が家の使い方では少し狭さを感じてしまっています。
ちなみに我が家では夫婦2人+キャバリアの愛犬1匹での車中泊旅を想定しています。
スペーシア ベースの室内空間を見たときに、ボクたちが感じたメリット・デメリットを見ていきます。
室内の高さは十分すぎる
まずはメリットに感じた部分から。
スペーシア ベースの室内高は1405mmもあるので、フロアで座った状態で手を伸ばして天井に手がとどくかどうか、というような高さになっています。
室内の高さは十分すぎるほど高いですね。
これだけの高さがあれば、のちのちベッドキットなどを組んでも、ベッド下の収納スペースと就寝スペースをどちらもしっかりと確保することができます。
愛犬とのドライブ旅では荷物も多くなりやすいので、この室内高の確保は大きなメリットです。
前席を起こしたままだと寝ることは不可能
デメリットは2つ感じる部分があって、
そのうちの1つ目は車中泊のときの就寝モードにするには、前席を楽して荷室空間を繋げる必要がある点です。
軽商用車は室内空間が広いと言ってもやっぱり軽自動車なので、荷物を移動させながら就寝モードにするにはけっこう手間がかかりそうです。
また、前席後ろに倒して就寝時のスペースを確保するのですが、前席のシートとシートバックの間には大きな段差ができてしまいます。
車中泊で気持ちよく寝るためには、この段差をマットなどを使ってうまく解消しないといけないですね。
ダイハツのアトレー、スズキのエブリイでは前席を出したままでも荷室長は1800mm以上も確保できるので、よほど長身の人でもない限り、そのまま縦に2人で寝ることができます。
一人で車中泊旅をすると考えても、HONDAのN-VANなら助手席をフラットにすることで2500mm近い空間を完全にフラットな状態で作ることができるので、こちらのほうがメリットとしては大きいように感じてしまいますね。
荷物置き場を確保するためにベッドキットは必須
マルチボードを下段に設置した状態でも、ボード下に165mmの空間ができるのである程度の荷物は収納することができそうですが、想像している以上に高さに余裕がありません。
2人+1匹となると荷物もそこそこの量になってしまうので、荷物置き場のことを考えるとベッドキットを組んで、ベッド下の収納スペースを確保するほうが現実的です。
ベッドキットを組むと前席をつなげたときの段差の問題も解消されるので、スペーシア ベースで車中泊を考えるなら必須になってしまうのでは?と感じてしまいますね。
ライバルはHONDA N-VAN
軽商用車ということでライバルとしては
- ダイハツ ハイゼット/アトレー
- スズキ エブリイ
- HONDA N-VAN
この3車種が考えられますね。
その中でも、同じボンネット型のN-VANがメインのライバルと言えるでしょう。
この2台を比較したときに、どちらがどんな人に合うのかを見ていきます。
N-VANもベースも一人旅に割り切っている
シートや室内空間のレイアウトを見ると、N-VANは一人で乗るのに特化しているように感じますね。
助手席のシートは完全にフラットになる代わりにとても薄く作られているので、2人での旅には適していません。
対してスペーシア ベースはどうかというと、こちらも一人での使用を前提にして作られているように感じます。
助手席のシートはスペーシアと同様なので快適に乗れますが、荷室空間の狭さがネックになってしまっています。
運転席も助手席もシートを倒してマルチボードとつなげることができるので、2人分の就寝スペースはしっかりと確保できますが、荷物の収納場所に困りますよね。
キャブオーバータイプの軽商用車であれば前席シートを出したまま就寝スペースを作れるので、前席を荷物置き場に使うこともできます。
N-VANといいスペーシア ベースといい、ボンネット型の軽商用車では荷物置き場の確保は大きな問題となりますね。
燃費性能・走行性能には大きな違いはないかも
気になる車としての性能としては、HONDAのN-VANとは大きな差はないと感じています。
カタログ燃費ではスペーシア ベースのほうがN-VANよりも高い数値になっていますが、みんカラなどのユーザー燃費で確認してみるとN-VANとスペーシアでは大きな燃費の差はないみたいです。
もちろんスペーシアでの比較になるのでスペーシア ベースになると少しの違いはあるかもしれませんが、大きな違いにはならないはずです。
また、走行性能に関しても安全装備などは、どちらも必要なものは揃っているし、こちらも大きな違いはなさそうです。
夫婦2人で愛犬との日帰り旅にはバッチリ!
車中泊にはベッドキットが必須!
ここまでスペーシア ベースについていろいろと見てきましたが、夫婦2人+1匹で使うことを考えると日帰り旅行をするには向いているように感じます。
- 軽乗用車と同じ感覚で運転できる
- ボンネット型で走行中の室内空間が静か
- マルチボードで荷室空間を自在にアレンジできる
後部座席に人が乗ることがほとんどない方であれば、通常のスペーシアよりも断然こちらのほうがおすすめですね!
車中泊を楽しみたい方であれば、キャブオーバータイプの軽商用車を検討するほうが良いでしょう。
やはり前席を倒して就寝スペースを確保できるとは言っても、スペースを作るのにけっこう手間もかかるし、前席のシートと背もたれのところにできる段差が気になってしまいます。
車中泊が目的ならば、別途ベッドキットを組むことを前提に考えたほうが良いです。
まとめ
今回は2022年8月26日にスズキから新しく販売が開始されたスペーシア ベースについて、
- 本当に車中泊やキャンプでの使用に向いているのか?
- 愛犬とのドライブ旅に向いているのか?
という点について紹介してきました。
一人旅を楽しんでいる方や、愛犬といっしょに夫婦2人で日帰り旅を楽しみたい方にとっては、ベストな選択の一つとして追加されたんじゃないかと感じます。
車中泊も楽しめるというのも売り文句になっていますが、室内空間を見るとそのままでは車中泊を快適に過ごすことは難しいんじゃないかと思います。
車でどんなところに行きたいのか、どんなことをしたいのかは人によって違うので、自分のライフスタイルに合った選択をできるといいですね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた、アルトでした!!