10月29日にトヨタ自動車から新型EV車として「bz4x」の詳細が発表されました!
トヨタ自動車のEV車フルラインナップの第1弾として2022年半ばの販売開始とのことで注目を集めています。
そんなbz4xの発表で大注目となっているのが、ステアバイワイヤシステムを搭載した異形ステアリングです!
ただ、これを聞いても、
ステアバイワイヤって何?
と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「バイワイヤ」という言葉についての説明と、ボクが感じていることについて話していこうと思います。
- バイ・ワイヤという言葉の意味を知りたい方
- バイ・ワイヤが車のどんなところで使われているのか知りたい方
- バイ・ワイヤのメリット・デメリットを知りたい方
それではさっそく見ていきましょう!
こんにちは、アルト(@hobbyALTO)です!
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バイ・ワイヤ≒電子制御システム
まず、「バイ・ワイヤ」とはどんなシステムのことかご存知でしょうか?
日本人の感覚からすると、英語表記すると「by wire」なので、
ワイヤーによって繋がれてるってこと?
って考える方が多いかもしれませんよね。
ですが、本来の意味はまったく逆で、電子制御システムのことを意味しているんです!
なんで「ワイヤ」なのに電子制御なの?
って思いますよね?
実は、「wire」という単語には「電線」や「電気信号」という意味もあるんですね!
なので、「バイ・ワイヤ」という言葉は、
「ワイヤーによって」 → 「電気信号によって」
と言い換えることができるということなんです!
うーん、日本語って難しい(汗
バイワイヤが使われている製品は?
では、バイ・ワイヤシステムは実際に車のどんな部品に使われているのか皆さんはご存じでしょうか?
次はバイ・ワイヤシステムが既に使われている製品から、これから登場するであろう製品まで、どんな製品に使われるのかを見ていきましょう。
ステアリング
まずはこの記事の冒頭でもお話したステアリングです。
一般的に「ステア・バイ・ワイヤ」と言われます。
本来、ステアリングはステアリングシャフトから、ギアを通してシャフトに繋がり、タイヤの操舵へと繋がります。
これはよく「機械的なつながり」という表現をされます。
ハンドルを回すとタイヤが動くのはこのつながりを持っているためです。
では、ステア・バイ・ワイヤになるとこれがどう変わるのでしょうか?
それは、「機械的なつながり」がなくなり、ハンドルを回したときに信号が流れ、タイヤをコンピュータ制御で動かすようになります。
「ハンドルをこれだけ回したら、タイヤをこれだけ動かしますよ!」
というプログラムによりタイヤを動かすということなんですね。
そのため、ハンドルを少しだけ回してタイヤを大きく動かす、みたいな動作をさせることもできるようになります。
これが、今回トヨタのbz4xに搭載されるということで大きく注目を集めました!
スロットル
スロットルのバイ・ワイヤは、車の部品の電動化の中ではすでにけっこう歴史があります。
スロットル・ワイ・ワイヤと言われたりしますが、一般的には電子スロットルという名前で浸透しているかもしれませんね。
昔の車は、アクセルを踏み込むことでレバーの役割を果たして、スロットルの調整をしていました。
ですが、電子スロットル搭載の車では、アクセルペダルとスロットルには機械的なつながりはなく、踏み込み量に応じてスロットル開度をコンピュータが電子制御しています。
また、速度を一定に保つクルーズコントロールなども、スロットル・バイ・ワイヤのおかげで実現できています。
スロットル・バイ・ワイヤは今ではほとんどの新車に搭載されており、私達の知らないところで広く普及している製品です。これからもスロットル・バイ・ワイヤがなくなることはないでしょうね!
パーキングブレーキ
パーキングブレーキのバイワイヤ化も最近では広く知られるようになってきているのではないでしょうか。
一般的には電子パーキングブレーキと呼ばれていますね!
これにはバイワイヤという呼び方はあまりされないかもしれませんが、もともと機械的なつながりを持っていたものが電子制御になったということでバイワイヤシステムの一つとして考えられることが多いです。
もともとはサイドレバーを引くことでブレーキをかけるものが主流だったパーキングブレーキも、最近ではスイッチのような形のものや、自動でパーキングブレーキがかかるようなものまで登場していますね。
これもスロットル・バイ・ワイヤと同じように最近では新車で搭載されることが多く、一般になじんで来ているのではないでしょうか?
バイワイヤのメリットとデメリット
では、バイ・ワイヤシステムにはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
ボクの考えも交えて紹介していこうと思います。
バイワイヤのメリット
まずはメリットから見ていこうと思います。
結論から言うと、バイワイヤを使用することでのメリットは多いです。
- 機械的なつながりがなく、部品が消耗しない
- コンピュータ制御により、細かく動作を制御できる
- バイワイヤ化した製品を、自動化につなげられる
- 部品点数を少なくでき、軽量化につながる
メリットはこれらが挙げられます。
機械的なつながりが無いということで、結合部などの摩耗しやすい部分もあまり気にしなくても良いようになります。
また、コンピュータ制御により制御を細かくでき、電動化にもつながるというのが大きなメリットです。
トヨタのbz4xで搭載される予定の異形ステアリングをみて、
このハンドルどうやって回すの!?
って思った方も多いのではないでしょうか?
実は、この異形ステアリングはハンドルを持ち替えて回すことは考えてなくて、ステア・バイ・ワイヤシステムを使うことで、持ち替えずに回せる範囲だけでタイヤの操舵してしまおう、という製品なんですね!
ステアリングの操作量が減ることで運転者の負担を減らすことに貢献できます。
こういうことができてしまうのが、バイワイヤシステムのメリットですね。
- 電気系統のトラブルに弱い
- 操作性が変わると慣れが必要
デメリットとしてボクが考えられるのはこれぐらいかなと思います。
まず、電子制御になるということで、当然電気系統のトラブルには弱くなります。
ですが、これはそれほど気にしなくてもよいのかなとも思っています。
電子スロットルなどはもうけっこう長い歴史がありますが、それが原因で起きた事故や大きなトラブルなどはあまり聞いたことがありません。
一番デメリットとして大きいと感じるのは、新たな技術が組み込まれると操作性が大きく変わるという部分です。
いままで交差点を曲がるときにグルグルとハンドルを回していたのが普通だったのに、急に
半回転させるだけで最大舵角で曲がれます!
って言われれもなかなかすぐに慣れる人も少ないのでは?と思っています。
今までほとんど変わることのなかった車を運転するときの根幹部分が大きく変わることには大きな違和感を感じることになるのではないでしょうか?
今後、このようなシステムを搭載した車が増えてくるにつれて、そういった新しいことにどのように運転者を順応させていくのかがこれからの車業界の課題の一つになるのではと感じます。
自動化とともに搭載製品は増える
これから車の自動運転に向けた開発はさらに進むことになると思います。
その時、バイワイヤシステムを取り込んだ製品というのは間違いなく必要になってきます。
EV車が増えてきて、自動運転の車が出てくるような時代になると、車の操作をする製品の多くは電子制御されることになるので、今後もバイワイヤで制御された製品は増えてくるでしょう!
操作に関わる部分が大きく変化し、ボクたちが混乱するようなこともあるかもしれませんが、自動運転が主流になるとそんな操作も必要なくなるかもしれないので、しばらくはどのように電動化・自動化が車業界で進むのかを見守っていきましょう!
まとめ
今回は車業界でよく聞かれる「バイワイヤ」技術についてお話してきました。
車の電動化・自動化を目指すには必要になってくる技術のひとつなので、今後も進化・発展を見ていきたいと思います。
今は、ステアリングなどの変化は違和感を感じるかもしれませんが、自動運転技術が進歩すれば、そのような不安もなくなってくると思うので、みなさんも楽しみに待ちましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた、アルトでした!!