こんにちは、アルト(@hobbyALTO)です!
タイヤ交換の際にお店からおすすめされるタイヤへの窒素ガス充填というのを皆さんはご存じでしょうか?
クルマのタイヤを交換しようと考えたことがある方であれば、カー用品店などで進められたことがあるのでは、と思います。
ですが、カー用品店で店員さんに窒素ガスってどんな効果があるんですか?って聞いても詳しく説明できる店員って少ないんですよね。
ですので、今回はそんな窒素ガス充填について少し考えてみたいなと思います。
個人的な結論を先に言っておくと、
窒素ガス充填は一般的なクルマの使い方では必要ないかな
と思っています。
今回は私がそう考えた理由も含めて、窒素ガス充填のメリット・デメリットや、その必要性について考えてみましたので、ご興味のある方はぜひ最後まで読んでいただければと思います。
それではさっそく見ていきましょう!
なぜ「窒素ガス」なのか
まず、なぜ充填する期待に窒素ガスが選ばれたのでしょうか?
それは、窒素ガスは空気を充填する場合に比べて抜けにくいといわれているからです。
ではなぜ窒素ガスは抜けにくいのでしょうか?
窒素は不活性ガス
窒素ガスが抜けにくいと理由は不活性ガスだからです。
「ん、不活性ガスって希ガス元素じゃないの?」
って、化学をおぼえている方なら思うかもしれません。
実は、窒素(N2)も二つの窒素原子が三重結合しているため、不活性ガスとして利用されていることは多いです。
なぜ不活性ガスは抜けにくい?
少し難しい話になってしまいそうなので、話を戻しましょう。
ではなぜ、不活性ガスであれば、抜けにくくなるのでしょうか。
それは、不活性ガスである窒素は空気と比べて分子の動きが遅いため、と言われています。
分子の動きが遅いためタイヤからの抜けが少なくなる、という訳ですね。
早く動いているものとゆっくり動いているものをイメージしてもらえれば、なんとなくイメージはできるかなと思います。
窒素ガスを入れるメリットとは
エアーが抜けにくい
ここまでで話したように、窒素ガスを充填させることで、タイヤのエアーが抜けにくくなります。
エアーが抜けにくくなるので、ガソリンスタンでなどでエアーチェックをしてもらう頻度も抑えることができますし、空気圧が下がりにくくなるためタイヤトラブルの防止の効果も期待できます。
季節・気温の変化に強い
窒素は不活性ガスであるため、温度上昇などによる空気圧の変化が起きにくくなります。
高速道路などを長時間走行したりすると、クルマのタイヤの空気圧は想像以上に上昇しています。
空気圧は抜けることで、タイヤトラブルにつながるというのは知っている方も多いかもしれませんが、空気圧が上昇することでトラブルにつながることを理解している方は意外と少ないです。
レースカーや、クルマ以外では飛行機などでも使用されているので、窒素ガスは幅広い分野で信頼を得ているのがわかりますね!
ホイールの錆を防止
ホイールなどの金属パーツは空気に触れることで、空気中の酸素と反応して酸化してしまいます。
この酸化現象がサビの原因となります。
窒素ガスをタイヤに充填させることで、金属パーツが空気と触れる機会を減らすことができるため、ホイールのサビなどのような腐食を防止する効果が期待できます。
また、タイヤ自身のゴムも少なからず空気によって酸化し、劣化は進みます。窒素ガスを充填することによってタイヤ内側の劣化を抑えるという効果もあります。
事故の時に出火しにくい
窒素ガスで充填していると、万が一の事故の時に、タイヤからの出火を抑える効果が期待できます。
空気中には酸素が訳20%含まれているので、タイヤに通常通りにエアーを入れている場合と窒素ガスを充填している場合を比較すると、窒素ガスを充填しているときのほうが燃え広がりにくいです。
このように安全性の観点でもメリットが期待できます。
窒素ガスを入れるデメリット
窒素ガス充填の手間
窒素ガスの充填はカー用品店などに出向き、作業をしてもらう必要があります。
また、タイヤをクルマに履いたまま作業をしようとするショップなどでは、タイヤ内の空気を抜けきることができずに、空気と窒素が混ざってしまうため、本来の効果が期待できないことになるでしょう。
タイヤの空気圧は3か月に一度程度は確認することが良いとされているので、それだけの頻度でカー用品店やショップで作業をしてもらう手間が必要になります。
通常のエアーであれば、ガソリンスタンドなどで、給油のついでにチェック、ということもできるので、そのためにお店に行かなければいけないのは面倒に感じるかもしれませんね…
入れるたびに費用が掛かる
また、窒素ガスを充填してもらうたびにコストが掛かります。
通常のエアーであれば費用が掛かることはありませんが、窒素ガスの充填では、タイヤのサイズにもよりますが、1本で500円前後の費用が必要になります。1台分4本を作業すると約2000円程度ですね。
この費用が空気圧チェックの目安とされる3か月経つたびに発生してしまうので、年間で8000円程度の費用が掛かってくることは覚えておきましょう!
窒素ガスは必要なのか
結局は抜けてしまう
窒素ガスを充填するとエアーが抜けにくくなるっていうけれど、当然抜けるものは抜けます(笑
純度の高い窒素が充填されている交換初期は効果があるのかもしれませんが、1か月、2か月と時間が経過するとともに空気が混じり、窒素ガス充填の効果は薄れていきます。
レースカーなどでも使用されていると話しましたが、そもそもレースカーは入れた直後のレースで最高のパフォーマンスを発揮するためであって、通常のクルマとは用途が全然違います。
最高の効果が発揮できる期間が短いのであれば必要ない、と考える方もいるのかもしれませんね。
タイヤトラブルは外的要因の影響が大きい
エアーが抜けにくくなるとか、ホイール・タイヤの劣化を抑えることができるとか、話をしてきましたが、タイヤトラブルで一番多い原因は外的要因になります。
外的要因って何かというと、通常使用しても避けることはできないタイヤの擦り減りや、道路上に落ちていたクギを踏んだり、段差を超えたときなどに発生するパンクなどのことです。
このような外的要因はタイヤ内に窒素ガスを充填しているからといって防げるものではありません。
まとめ
今回はタイヤ交換時にオススメされることの多いタイヤの窒素ガス充填について考えてきました。
窒素ガスの充填によるメリットは理論的には正しいものなのかもしれませんが、我々の一般的なクルマの用途ではその違いを実感できることは少ないのではないでしょうか。
窒素ガス充填の手間や、ランニングコストを考えたうえで、更なる安全性・走行性能を手に入れたいのであれば、検討の価値はあるのかもしれませんね。
これらのメリット・デメリットを踏まえたうえで、窒素ガス充填が必要かどうかを判断していただければと思います。
皆さんのクルマの使い方から必要性を考えるようにしてくださいね!
今回の記事を参考に検討してみてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
ではまた!!